“日本のカトリック教会は、
2019年に教皇フランシスコが来日して呼びかけられた
「すべてのいのちを守るため」というメッセージの実践の一環として、
毎年9月1日の「被造物を大切にする世界祈願日」から、
10月4日のアッシジの聖フランシスコの記念日までを
「すべてのいのちを守るための月間」として定め、
2020年からこれを実施しています。
これは同時に、世界規模のエキュメニカル行事
「被造物の季節(Season of Creation)」に加わるもので、
キリスト教諸教派が垣根を越えてともに祝い、活動を行っています。”
(2023年すべてのいのちを守るための月間 「ラウダート・シ」デスク責任司教談話 より)
今年の「被造物を大切にする世界祈願日」によせて、
教皇フランシスコは以下のように述べています。
“神は正義の支配を望んでおられます。
その正義の支配は、わたしたち神の似姿として造られた子らのいのちにとって、
肉体の維持に水が必要なのと同様に不可欠なものです。
この正義は必要な場所へ現れ出るべきもので、
わたしたちを支えるものとなることなく、地下にとどまったままであったり、
蒸発してしまったりする、水のようであってはなりません。
神が望むのは、一人ひとりが、
それぞれの状況において正義の人となるよう努めること、
神のおきてに従って生きるようつねに力を尽くして、
いのちが十全に花開くようにすることです。
わたしたちが何よりもまず神の国を求め(マタイ6・33参照)、
神との、人類との、自然とのしかるべき関係を保つなら、
正義と平和は、尽きることのない清水のように流れ出て、
人類とすべての被造物を養うことができるのです。”
“わたしたちは、環境不正義と気候不正義の犠牲者の側に立ちなさいとの声に、
被造物に対するこの愚かな戦いを終わらせなさいとの声に、耳を傾けなければなりません。”
教皇メッセージの全文や、「ラウダート・シ」デスクによる振り返りのヒントを読んで、
神の呼びかけに耳を澄ませましょう。
神との関係、現在と未来の兄弟姉妹との関係、すべての自然との関係、そして自分自身との関係において、
調和を求める心を願いましょう。
「エコロジカルな罪」を悔い改め、決意をもって、
ライフスタイルと、この社会を運営する公共政策を変えていく恵みを願いましょう。
今回は教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ』巻末に収められた祈りを紹介します。
わたしたちの地球のための祈り
全能の神よ、
あなたは、宇宙全体の中に、
そしてあなたの被造物のうちでもっとも小さいものの中におられます。
あなたは、存在するすべてのものを
ご自分の優しさで包んでくださいます。
いのちと美とを守れるよう
あなたの愛の力をわたしたちに注いでください。
だれも傷つけることなく、兄弟姉妹として生きるために、
わたしたちを平和で満たしてください。
おお、貧しい人々の神よ、
あなたの目にはかけがえのない
この地球上で見捨てられ、忘れ去られた人々を救い出すため、
わたしたちを助けてください。
世界を貪るのではなく、守るために
汚染や破壊ではなく、美の種を蒔くために
わたしたちのいのちをいやしてください。
貧しい人々と地球とを犠牲にし利益だけを求める人々の
心に触れてください。
それぞれのものの価値を見いだすこと、
驚きの心で観想すること、
あなたの無限の光に向かう旅路にあって
すべての被造物と深く結ばれていると認めることを、
わたしたちに教えてください。
日々ともにいてくださることを、あなたに感謝します。
正義と愛と平和のために力を尽くすわたしたちを、
どうか、勇気づけてください。
教皇フランシスコ『回勅 ラウダート・シ ーともに暮らす家を大切に』より