復活祭のあとの「復活節」という期間は50日間つづき、
「聖霊降臨祭」によって締めくくられます。
この日は「教会の誕生日」とも言われ、以下の出来事を記念しています。
五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、
突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、
彼らが座っていた家中に響いた。
そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、
一人一人の上にとどまった。
すると、一同は聖霊に満たされ
“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。
(使徒言行録2・1-4)
イエスが死と復活によって栄光を受ける以前から、
聖霊はこの世に働きかけていましたが、
聖霊降臨において、弟子たちの内面に働きかけ、
すべての人の救いのための業を行い、教会を発展させるために、
そして弟子たちとともに永遠にとどまるために、
弟子たちのうえに下りました。
イエスの死後、迫害を恐れて閉じこもっていた弟子たちは、
聖霊の働きによって、信仰を力強く証する者になったのです。
(カトリック中央協議会HPより)
聖霊降臨の場面には聖母マリアの姿もありました。(使徒言行録1・14)
そのため、聖霊降臨の主日後の月曜日は「教会の母聖マリアの記念日」となっています。
今回は、聖霊を求める伝統的な祈り「聖霊の続唱」と、
フランシスコ教皇の回勅『信仰の光』巻末に収められた「教会の母マリアへの祈り」を紹介します。
聖霊の続唱
聖霊来てください。あなたの光の輝きで、
わたしたちを照らしてください。
貧しい人の父、心の光、証の力を注ぐ方。
やさしい心の友、さわやかな憩い、ゆるぐことのないよりどころ。
苦しむ時の励まし、暑さの安らい、憂いの時の慰め。
恵み溢れる光、信じる者の心を満たす光よ。
あなたの助けがなければ、すべてははかなく消えてゆき、
だれも清く生きてはゆけない。
汚れたものを清め、すさみをうるおし、受けた痛手をいやす方。
固い心を和らげ、冷たさを温め、乱れた心を正す方。
あなたのことばを信じてより頼む者に、尊い力を授ける方。
あなたはわたしの支え、恵みの力で、救いの道を歩み続け、
終わりなく喜ぶことができますように。
アーメン。
photo by Dnalor 01, Wikimedia Commons (CC-BY-SA 3.0)
教会の母マリアへの祈り
教会の母であり、わたしたちの信仰の母であるマリアに、わたしたちは祈ります。
聖母よ、わたしたちの信仰を助けてください。
わたしたちの耳を開いて、みことばを聞くことができるようにしてください。
神のみ声と招きを知ることができますように。
神に従い、自分の故郷を離れ、約束を受け入れることへの望みを
わたしたちの心に燃え立たせてください。
どうかあなたの助けによって、神の愛がわたしたちに触れてくださいますように。
わたしたちも信仰をもって神に触れることができますように。
あなたの助けによって、わたしたちが神に完全に身をゆだね、
神の愛を信じることができますように。
とくに試練と十字架によって、わたしたちの信仰が成長するように招かれるときに。
わたしたちの信仰のうちに、復活した主の喜びの種を蒔いてください。
信じる者は決して独りきりではないことを、わたしたちに思い起こさせてください。
イエスの目をもって物事を見ることを教えてください。
イエスがわたしたちの歩みの光となってくださいますように。
そして、この信仰の光がわたしたちの中でますます強められ、
あの沈むことのない太陽に達することができますように。
この太陽こそ、あなたの子であり、わたしたちの主である、キリストです。
(教皇フランシスコ回勅『信仰の光』60)