季節の祈り


「いのちの日」の祈り(4月25日)

先々代の教皇である聖ヨハネ・パウロ2世は、

回勅『いのちの福音』のなかで

あらゆる人間のいのちを尊重し、守り、愛することを緊急に訴えました。

 

「いのちの福音は、イエスのメッセージの中心です。

それは、毎日、教会によって愛をもって受け入れられ、

あらゆる時代と文化の人々に善き知らせとして

勇気ある忠実をもって告げられるべきものです。」

 

これを受けて、日本カトリック女性団体連盟(日カ連)は

4月25日を「いのちの日」と制定し、

「いのちを守る運動」を立ち上げ活動しています。

 

2020年には、発布から25周年となるのを記念して

教皇フランシスコが『いのちの福音』について以下のように述べられました。

 

わたしたちが守り、支えるように召されている「いのち」は、

抽象概念ではなく、生身の人間を通して表わされるものです。

受胎したばかりの胎児、疎外された人、

孤独と失望の中あるいは終末期にある病者、

仕事を見つけられない失業者、拒否され隔離された移民など、

「いのち」は具体的な人々の中にあります。

 

すべての人間は、いのちの充満を享受するよう神から召されています。

いのちの大切さは、教会の母なる配慮にゆだねられているために、

教会はいのちに対するあらゆる脅威を前に手をこまねいていることはできません。

 

教会にとっていのちを守ることは、イデオロギーではなく、

すべてのキリスト者に関わる、人間としての現実です。

(2020年3月25日一般謁見より)

 

今回は『いのちの福音』巻末の祈りを紹介します。

聖母マリアの取り次ぎを願って。

 

「いのちの日」の祈り

ああ、マリア、 新しい世界の輝かしい夜明け、

いのちあるものの母、

わたしたちのいのちをあなたにゆだねます。

 

産声を上げられなかった赤子たち、

いのちの危機に瀕している貧しい人々、

残忍な暴力の犠牲となっている男女、

無関心と誤ったいつくしみのゆえに殺害される高齢者や病人たち、 これらの人に母としてのまなざしを注いでください。

 

御子キリストを信じるすべての人が、

真心と愛を込めて、今の時代に生きる人々に

いのちの福音をのべ伝えることができますように。

 

この福音をまったく新しいたまものとして受け入れる恵みと、

生涯をとおして感謝のうちにたたえる喜びと、

堅い決意をもってあかしする勇気を与えてください。

 

創造主であり、いのちを愛するかたである

神の賛美と栄光のために、

すべての善意の人々と手を携えて、

真理と愛の文明を築くことができますように。

(教皇ヨハネ・パウロ2世『いのちの福音』より)